【潰瘍性大腸炎】仕事がどんどん増えていき、体調を崩したことが原因での転職が2回ほどあります。(女性・いくらちゃんさん)

――便器を見ると血で真っ赤に染まっている状態で、ご友人に消化器系の病院を勧められ受診。そこから2つ目の病院で「潰瘍性大腸炎(指定難病97)」という難病と診断されたいくらちゃんさん。病気を受け入れ、日々の生活とどう向き合っているのか、その思いをお聞きしました。
お話を聞いた方のプロフィール
| お名前/性別 | いくらちゃんさん/女性 |
| 診断された難病の名前 | 潰瘍性大腸炎(指定難病97) |
| 診断された時の年齢 | 29歳 |
| 家族構成 | 診察時から一人暮らし。実家に両親ときょうだいがいます。 |
| 住んでいる地域 | 診断時は東北地方、現在は東海地方。 |
もくじ
潰瘍性大腸炎とはどんな病気なのか
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状としては、血便を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/62
難病と診断される前の体調
中高生のころからストレスがかかるとよくお腹を壊していて、潰瘍性大腸炎の診断前は「IBS(過敏性腸症候群)かなあ…」と思ったりしていました。数年に1度トイレットペーパーに血がつくことがあり、「痔かな?」と思っていました。元々あまりお酒は強くないのでほとんど飲んでいなかったのですが、飲めばお腹を壊していました。
病院に行くきっかけの出来事
自宅のトイレで、終わって便器を見たら、真っ赤に染まっていました。
特に肛門が痛いというわけでもなく、ただただ真っ赤な便器にびっくりして、Twitterに「なんか便器が真っ赤だったんだけど、痔かなあ…。」とぼやいたら、医療系の人に「痔じゃないかもしれないから、消化器系の病院いっておいで!!」といわれたので、知人の医師に教えてもらった、開業したての消化器内科にいきました。
残念ながらそこは胃カメラしかやっておらず、そのクリニックの紹介で大腸内視鏡は違う大きな病院で受けることになり、そのままそこの病院が東北時代のかかりつけになりました。
難病と診断された時の心境
へー、IBSじゃなかったんだ、器質性の疾患だったんだ…と思いました。アルコールを飲むとお腹を壊していたことなど「あ、あれは病気だったんだ」と色々腑に落ちました。
治療や通院で大変だったこと&どう乗り越えたか
元々仕事が裁量労働制なので通院については特に大変さはありませんでしたが、引越等に伴い、かかりつけ医療機関が3回、担当主治医も5人ほど変わっているので医療機関の初回診察に時間がかかるのが面倒でした。
また、年に1回受ける大腸内視鏡についても、前処理が医療機関ごとに対応が異なるのでその時々面倒なこともありました。最初の医療機関は、自宅で全て処置してから病院に来て下さい、というところだったので、処置後ぐったりしながら通院しました。
次の医療機関は内視鏡センターがあったので、当日内視鏡を受ける人たちが一つの部屋に集まり処置をします。大体皆さん、50歳以上の方だったので、当時若かった私は割と奇異な目で見られがちだったので、イヤフォンで音楽を聴きながら前処置をしました。
またこの2つの医療機関では、鎮静剤を使ってなかったので、今から思うとよくあんな検査の痛みに耐えたな…と思います。現在の医療機関は鎮静剤を使用するので、「なんで10年近くも鎮静剤使わなかったんだろう???」と思うくらい、検査の痛みがなく、快適です。
あとはポリープがあったりすると入院になってしまうので、家族・親戚が離れたところに住んでいるので、保証人のサインが大変です。
服用している薬や通院頻度
現在は寛解状態なので、基本的には2ヶ月に1度ほど、アサコールと整腸剤をもらいに通院しています。他にも治療している疾患があるので、本当は全ての薬を1カ所の薬局でまとめて、かかりつけ薬局を作りたいのですが、特定疾患受給者証では、指定薬局でないとだめなので、かかりつけ薬局を作るのはあきらめました。
生活で気を付けていること
最初の主治医には、「基本的にはアルコールや肉類でお腹を壊す人が多いけど、人によるのでお腹を壊したものを食べないようにしてください」といわれたので、アルコールは元々弱かったし、飲まないようにしています。
ただ、コロナ中、ノンアルコールビールの飲み比べにはまってしまい、0.5%程度入っているノンアルコールビールを毎日飲んでいたら、下血してしまって座薬出されてしまったので、ノンアルコールビールでも微量にアルコールが入っているものについては、続けて飲まないようにしています。
また、お肉やお魚は大丈夫なのですが、動物性脂肪豊富な某コーヒーチェーンの季節のドリンクがてきめんにくるので、生クリーム系もさけるようにはしています。あと、潰瘍性大腸炎とは別に、虚血性大腸炎になってしまったことがありまして、潰瘍性大腸炎のよくある下痢とは全く違い、痛みがすごいので虚血性大腸炎はもう二度とかかりたくないですね…。
特定医療費(指定難病)受給者証の存在をどこで知ったか
最初の主治医にパンフレットなどをいただきました。
難病で困ったこと(または困っていること)
現在はほぼ寛解状態なので、病気自体で困っていることはあまりなく、服薬を忘れがち…というくらいですが、逆に元気なので難病患者と思われず、仕事でどんどん負荷をかけられたりして体調崩したりしたのは辛かったですね。
潰瘍性大腸炎であることは公言しているので、体調崩しやすいんだけどな…と思いながら仕事をしていました(そして扱いに嫌気がさしたので転職しました)
お仕事について
今まで転職は5回ほどしているのですが、最初の職場は理解がなさそうだったので公言はしなかったものの、他の職場は医療従事者も多く理解がありそうだったので潰瘍性大腸炎であることは公言していました。
公言すると、お酒の席でもスムーズにアルコールが断れて、ちょっと便利です。ただ、アルコールを断ることには納得してもらえるものの、それ以外はほぼ健常なので、仕事がどんどん増えていき、体調を崩したことが原因での転職が2回ほどあります。知識があるだけでは駄目なんだなあ…と思いました。
ただ、裁量労働制なので通院やトイレ休憩などについて、配慮必要もなく、検査も年休で治まってしまうので、配慮申請は出していません。ふわっと曖昧に体調を崩しやすい、というような配慮申請が出来たらとは思うものの、自分が管理者の立場になったらそんな曖昧な配慮申請どうしろっていうんだ…と思うので、なかなか難しいですね。
趣味や好きなもの

趣味はたくさんあるのですが、乗り鉄で電車に乗って旅行して、旅行先の博物館や美術館に行き、位置情報ゲームのイングレスやポケモン、城巡りで遊び、乗車中は駅メモをやって楽しんでいます。とはいえ、大体の休日は家に引きこもって漫画を読んでます。

体と相談しながら、外出も楽しめるようにしているとのこと。
また、映画鑑賞も好きなので、特定疾患で色々な施設が割引になるのは大変ありがたいです。知らなかったときは、高いしいいかな…と思っていたのですが、割引あるし近くでやってるし、休みの日は外に出ないと!という気分になるので助けられています。
難病とどのように向き合っているか
昔からお腹は壊しがちだったので、それが減った分、楽になったかなと思います。
その分毎日3回薬を飲むのが面倒なのですが、幸い今のところ悪化しても食生活を改善すると大体治まるので健康に過ごすためのバロメーターかな…というところです。重症になってしまったらこんなことは言えないのでしょうが…。
同じ難病と闘っている方へメッセージ
潰瘍性大腸炎は、重症の方と私のような寛解中の患者とで全く日々の生活が違ってしまいます。
早期発見がよいのかもよくわかっていません。私もいつ重症化するかもわかりません。それでも新しい薬などもたくさん開発されてきていますし、寛解や寛解の長期維持を目指して一緒にがんばりましょう。

いくらちゃんさん、この度はアンケートにご協力いただきありがとうございました。
一見、健常者に見えるため、仕事量がどんどん増えてしまい頑張りすぎてしまう状態、痛いほど分かります。
「難病と仕事」両立しやすい制度ができると良いなと、いくらちゃんさんの記事を読み改めて感じました。
