【高安動脈炎】冷や汗が止まらず意識が飛びそうになりました。(女性・かよさん)

――満員電車で通勤中、急に気分が悪くなりそのまま急遽病院へ。そこで検査入院し「高安動脈炎(指定難病40)」という難病と診断されたかよさん。病気を受け入れ、日々の生活とどう向き合っているのか、その思いをお聞きしました。
お話を聞いた方のプロフィール
| お名前/性別 | かよさん/女性 |
| 診断された難病の名前 | 高安動脈炎(指定難病40) |
| 診断された時の年齢 | 29歳 |
| 家族構成 | 両親、兄、妹の5人家族 |
| 住んでいる地域 | 大阪府 |
もくじ
高安動脈炎とはどんな病気なのか
大動脈やそこから分かれている大きな血管に炎症が生じ、血管が狭窄したり閉塞したり拡張したりして、脳、心臓、腎臓といった重要な臓器に障害を与えたり、手足が疲れやすくなったりする原因不明の血管炎です。炎症が生じた血管の部位によって様々な症状がでます。
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/141
難病と診断される前の体調
身体の怠さと一過性の視力障害がありました。
今まで生活してた中で経験したことのない視力障害(目の前が全て真っ白になってしばらくの間は何も見えなくなるが時間が経つとまた普通に見えること)が度々ありました。診断される数日前には嘔吐するなど体調不良がありました。
病院に行くきっかけの出来事
出勤で満員電車に乗車中に急に気分が悪くなり、冷や汗が止まらず意識が飛びそうになりました。近くの人が支えて電車を一緒に降りてくれて出勤を諦め自宅に帰ることにしました。
ですが、帰る途中に体調的にどうしても自宅まで帰れなさそうで急遽病院へ寄ることにしました。
点滴を6袋いれてもらいましたが症状が改善しなかったことからそのまま検査入院することになりました。結果、高安動脈炎と診断されました。
難病と診断された時の心境
難病って中々診断がつくのに何年もかかったりする人もたくさんいらっしゃる中で、私は症状が出始めて数週間で診断がついたのは行き着いた病院に膠原病に詳しい先生がいたからですよと話を聞いて、運が良かったなぁと思いました。
しかし、初めの診断で既に重症度分類がⅢ度に該当しており、頸動脈もかなり細くなっている(通常の人の10%未満の細さ)ということでした。
体調面的には生活面で支障のない範囲だったのでそれほどその時は不安にはならなかったのが正直なところです。
治療や通院で大変だったこと&どう乗り越えたか
私は診断されて1年弱で再燃し、脳梗塞にもなりました。
幸い命は助かったもののそこで入院を3ヶ月経験しました。
プレドニンも5mgまで減ってたのがまた45からの再スタートでかなりショックでした。
脳梗塞の後遺症で片麻痺や高次脳機能障害にもなりました。
その現実が大変辛く、受け入れるのに数年の歳月がかかりました。
家族をはじめ、リハビリ先の職員さん、就職をサポートしてくれた支援機関の方々、周りの友達、色んな人たちの支えのおかげで、今の自分を受け入れることができて立ち直ることができました。
服用している薬や通院頻度

現在は毎日服薬してるのは骨を作るビタミンと血液サラサラのお薬、胃薬です。
他には下記を服薬してます。
- 週に2回、プレドニゾロン2mg/回
- 週に3回、感染症予防のお薬ダイフェン配合錠(半錠)
- 週に1回、メトトレキサート(朝と晩に4mgずつ)とフォリアミン
- 2日に1回、鉄剤のシロップ※インクレミンシロップ※(5mg/回)
通院は8週間ごと(2カ月)に1回で、通院時にはレミケードという点滴を2時間かけて受けています。
生活で気を付けていること
無理はしすぎないこと。
食生活に気をつける、しっかり身体を休める、疲れたら横になる。
ストレスを溜めないことに気をつけています。
特定医療費(指定難病)受給者証の存在をどこで知ったか
診断がついて退院してから初めての通院時に担当の先生からお話がありました。
該当するので手続きに行ってくださいと言われた記憶があります。
難病で困ったこと(または困っていること)
今までは運動にも体力的にも人並み程度には自信があったものの、病気をしてからは疲れやすく体力もかなり落ちて今までのように頑張れなくなったのが困りました。
今はそれが今の自分なんだと受け入れて疲れたら横になって体を休めたりして回復させてまた動くということを心がけています。
お仕事について
私はパートで短時間勤務で働かせていただいてます。
もうフルタイムで週5で働くのは身体的に難しくなりました。
ただ、人が足りなくてフルタイムでたまに出勤することもありますが、その時には疲れがかなりきついので翌日は休みにしてもらうように調整していただいてます。
趣味や好きなもの

神社で参拝後に御朱印をいただくことが趣味です。
神社は心を清らかに、また身体に感謝してることを伝えるいい機会になっています。御朱印を集めることでここに行ったなぁと思い出せるので形に残って助かります。
登山をたまにしています。彼のサポートを受けながら時間は人の1.5〜2倍くらい時間はかかりますが、ゆっくりマイペースに登ってます。その中で自然の風景に触れる中で癒されてます。
難病とどのように向き合っているか
毎日自分のできる範囲で頑張り、無理はしないことで体調と向き合っています。
通院時には先生に体調が前回の診察から今回までどうだったか詳しく話し、先生にも把握していただき、不安が残らないようにしています。
同じ難病と闘っている方へメッセージ
この病気は再燃率が高く、不安な中で治療を頑張っていらっしゃる方や服薬してるお薬の副作用で悩んでる方も多いかと思います。
私はどちらも経験しましたが、今7年が経とうとしてる今は病気も寛解状態を維持できており、プレドニンが減った今はムーンフェイスもなくなり睡眠も休息もしっかりとれています。
この病気は完治する病気ではないので、うまく付き合っていくことが鍵になると思います。
そのためにも気になることは先生に尋ねるなりして今の自分を受け止めて前を向いて一緒に頑張っていきましょう。
かよさんのSNS

かよさん、この度はアンケートにご協力いただきありがとうございました。沢山のお薬を服用されている中でも、周りの方への感謝を忘れない姿勢とても素敵です。
