【尿素サイクル異常症】看護師さんが驚くほど多量の薬を服用していました。(女性・まるいさん)

――9歳のときに「尿素サイクル異常症(指定難病251)」という難病と診断されたまるいさん。大人になったいま肝移植手術を乗り越え、日々の生活とどう向き合っているのか、その思いをお聞きしました。
お話を聞いた方のプロフィール
お名前/性別 | まるいさん/女性 |
診断された難病の名前 | 尿素サイクル異常症(指定難病251) |
診断された時の年齢 | 9歳 |
住んでいる地域 | 関東 |
もくじ
尿素サイクル異常症とはどんな病気なのか
尿素サイクルは主に肝臓において、生体内で発生する有毒なアンモニア(NH3)を無毒な尿素に変えていく経路です。尿素サイクル異常症は尿素合成経路の代謝系に先天的な異常があり、高アンモニア血症の症状などで発症する一群の疾患です。
難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/4732
難病と診断される前の体調
診断の3年前から強い吐き気があり、1日2-3回吐いていました。 また脳にダメージがいっていたので、突然不可解な行動をすることも多かったです。10件ほど病院をまわりましたが、心因性と診断され、吐き気止めを貰うのみでしたが、結果として消化器ではなく脳から吐き気がいっていたので、消化器の吐き気止めは全く効きませんでした。
病院に行くきっかけの出来事
まわっていた病院で血液検査の結果、ASTとALTが極端な異常値を出しており、大きい病院へ紹介状が書かれたためです。
難病と診断された時の心境
幼かったため特に実感はなかったですが、大変なことが起きていること、これから治療を一生続けなければならないんだろうなということは理解できました。
治療や通院で大変だったこと&どう乗り越えたか

肝移植をしたのですが、術直後は耐えられない程の痛みでICUで泣き叫びました。好きなアニメがあったのでポータブルプレイヤーでICUで繰り返し見ていましたが、痛みに耐えながら何度も繰り返して見ているうちに、そのアニメが痛みと連想され嫌いになりそうになったこともあります。
服用している薬や通院頻度
術前は大病院の看護師さんが驚くほど多量の薬を服用していましたが、現在は免疫抑制剤(グラセプター)と少量の薬で管理ができています。
生活で気を付けていること
術前はとにかく食事制限に気をつけていました。低タンパク高カロリーを推奨されていて、普通の健康食とは正反対でした。なので食べられそうなレストランをgoogleで事前に調べてピン留めしておくと探しやすかったです。
術後は免疫抑制剤を服用しているので、外出時にはマスクを着用し、人混みにはなるべく行かないようにしています。
特定医療費(指定難病)受給者証の存在をどこで知ったか
元々母が申請してくれていたので、母から教えてもらいました。
難病で困ったこと(または困っていること)
初めて会う人に説明するのが難しいです。
特にこの病気は患者数が少なくわかりやすい動画や図解等が一切ないため、自分で説明する用のイラスト図解を作成しています。説明する時とても役立っています。
趣味や好きなもの

散歩すること、手帳を書くことが好きです。おでかけ雑誌を読んでピン留めした場所を巡りながら買い物をしたり、食べ歩きをしたりしています。夏と冬は体力的に難しいので家で手帳を書くことが多いです。
移植前は自分の気持ちや手当などの福祉制度、移植の説明イラストなどを書き込む移植ノートも作成しました。自分の気持ちと向き合うのにとても役立ちますし、体力がなくてもできる趣味で楽しいです。
難病とどのように向き合っているか
受給者証、障害者手帳を取得してからは、割引制度をとにかく調べてせっかくならいろいろお得に使おうと考えています。
自治体によりますが、銭湯のチケットや美容院のチケット、タクシーの乗車券も交付されることもあります。
同じ難病と闘っている方へメッセージ
かなりの量の薬や厳しい食事制限があるかと思います。食べるうちにこれだ!という自分にぴったりの食事量が分かると思うので探してみてください。
あと、ヴィーガンレストランでは豆に注意してください、たんぱく質が豊富なので(笑)
そして、ここを見ているのはおそらく患者さんの保護者様が多いかと思います。どうかご自分を責めないでください。辛いこともありますが、産んでくれた両親の事を責めたりなんてしませんしできません。感謝しています。

まるいさん、この度はアンケートにご協力いただきありがとうございました。
マスキングテープやシールでデコられた素敵な手帳でした🐈✨
体調の変化に左右されにくい室内で楽しめる趣味を、私自身もなにか持っておきたいと感じました。