【後縦靭帯骨化症】痺れや痛みが長く続くと正直つらい。(男性・おおがわらさん)

――段差もない場所でつまづく回数が増えていき、どこか体に違和感を感じ病院へ。そこで「後縦靭帯骨化症(指定難病69)」という難病と診断されたおおがわらさん。病気を受け入れ、日々の生活とどう向き合っているのか、その思いをお聞きしました。

お話を聞いた方のプロフィール

お名前/性別おおがわらさん/男性
診断された難病の名前後縦靭帯骨化症(指定難病69)
診断された時の年齢45歳
家族構成単身+猫(メス)
住んでいる地域岐阜県

記事内の文章や写真は、許可を取り掲載をしているものです。複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

後縦靭帯骨化症とはどんな病気なのか

後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)は、椎骨の後縁を上下に連結し、背骨の中を縦に走る後縦靭帯が骨化した結果、脊髄の入っている脊柱管が狭くなり、脊髄や脊髄から分枝する神経根が押されて、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす病気です。

難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/98

難病と診断される前の体調

週に4日は仕事が終わってから2時間近くバドミントンを楽しめたほど激しい動きが出来ていて、適度な運動をしていたせいか体調はかなり良かったです。
しかし、しっかりに握っていたつもりが、ラケットを振った時にラケットまで飛んでいく回数が増えていき、不思議には感じていました。

病院に行くきっかけの出来事

普段は屋内で仕事をしています。職場の床はアクリル製のタイルで、突起も段差も無い場所で躓く回数が増えていき、ついに動かしたつもりの足が動いていなく転倒してしまい、どこか異常があると直感的に感じ、前述したラケットの件もあり病院に行くことにしました。

難病と診断された時の心境

病名を聞いた時には難病の説明もなく、単に「この病気は治療法がなく、進行を遅らせるように生活をするしかありません。いずれは手術も必要になります。」と説明をされ、「そうなんだ」って感じでした。
帰宅後にネットで調べ、はじめて難病であることを知りました。また、難病というカテゴリーが有ることも初めて知りました。
ただ、私が30歳の時に母が悪性リンパ腫を患い、闘病生活に入ったのですが、そのおり母に「この病気は治らないらしいから、病気と上手く付き合っていくしかないよ」と諭したことが有り、こんどは自分の番か……と思ったことは今でも覚えています。

治療や通院で大変だったこと&どう乗り越えたか

幸い、発症当時は普通に歩行が出来ていました。今では松葉杖なしでは200mも歩けませんが、車の運転はまだ出来ますので、今のところ通院などで困ったことは有りません。
しかし、このままいくと近い将来は車椅子になると思います。そうなると通院など一人では行けなくなるので何か対応策を考えておかなければと思ってはいます。

服用している薬や通院頻度

神経系の疼痛を緩和する薬を服用していますが、痺れや痛みがひどい時だけ数日間集中して飲みますが、症状が穏やかな時は服用していません。
通院は経過観察で3カ月に1度。年4回ほどを基本としていますが、転倒などで異変を感じた時にはその都度通院しています。

生活で気を付けていること

首への負担は特に注意している

首へ過剰な負担が掛からないように、転倒しないように注意をしています。

特定医療費(指定難病)受給者証の存在をどこで知ったか

受給者証は手術日を決めた日に主治医の先生から教えてもらいました。
近日中に高額な負担が予測されることから受給資格が生じたことがきっかけで、その後は、軽症高額で更新をしていましたが、今では重症度で交付を受けています。

難病で困ったこと(または困っていること)

歩行が不自由になったことで、10代から始めたバドミントンも出来なくなり、運動不足で体重が増え続けていることに困っています。

お仕事について

幸い、業務は座って行う仕事なので、転職することなく今でも続けることが出来ています。

趣味や好きなもの

愛猫ふくちゃん(11歳)とたわむれる日々

手術前までは無理をしない程度にバドミントンを楽しんでいましたが、出来なくなった今では愛猫にかまってもらうことです。

難病とどのように向き合っているか

私の病気は、運動障害や手足の痺れが主な症状なので、痺れとそれに伴う痛みを我慢できれば、食事制限や寝たきり・安静など何ら制限がないので助かっています。そのおかげで、あまり自分が難病患者という事を考えないようにしています。また酷く症状が出ていても「こういう病気だからしょうがないよね」と気持ちをすぐに切り替えるようにしていますが、痺れや痛みが長く続くと正直つらいです。

同じ難病と闘っている方へメッセージ

幸いなことに私はまだ車椅子生活に至っていないので、私よりも症状が重い方にとっては、何言ってるの?と感じるかも知れませんが、一言だけ言わせていただけるなら「どんな状態でも生きていることじたいが幸せ」貴方がいるだけで、周りに幸せをもたらしていることを信じて欲しいです。

最後に

難病患者の中には寝たきり症状でも病気やけがによる障害ではないからと、身体障害者手帳の交付を受けられない方がかなりいます。
しかし、難病に2024年度から登録者証の制度がスタートしましたが、障害者手帳のような効力が無く、就労支援は有るものの、障害者雇用枠は適用されないという現実に落胆している難病患者さんも多くいます。どうか1日でも早く受給者証・登録者証が障害者手帳と同等の効力を持つように願っています。


管理人

おおがわらさん、この度はアンケートにご協力いただきありがとうございました。
愛猫ふくちゃんが人のように布団で眠る姿にこちらも癒されました🐈

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