【潰瘍性大腸炎】寛解を目指し、思いつくものはすべて試しました。(男性・たかしさん)

――週末に38℃くらいの熱が1ヶ月ほど続き、さらにお腹の痛みもあり奥様の後押しで病院へ。そこで「潰瘍性大腸炎(指定難病97)」という難病と診断されたたかしさん。病気を受け入れ、日々の生活とどう向き合っているのか、その思いをお聞きしました。

お話を聞いた方のプロフィール

お名前/性別たかしさん/男性
診断された難病の名前潰瘍性大腸炎(指定難病97)
診断された時の年齢29歳
家族構成妻、子ども1人
住んでいる地域関西

記事内の文章や写真は、許可を取り掲載をしているものです。複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

潰瘍性大腸炎とはどんな病気なのか

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状としては、血便を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/62

難病と診断される前の体調

当時は特に大きな病気をしたこともなく健康体だと思っていたのですが、ある時から週末に38℃くらいの熱が出るようになりました。
平日はなんともないのに、週末だけ熱がでる。最初は、疲れか普通の風邪かとながしていたのですが、それが1ヶ月ほど続き、「さすがにこれは何かおかしい」と感じ始めました。

便の出方も変わり便意はあるのに出ない、スッキリしない日が続くようになり下腹部にズーンと重いような違和感や鈍い痛みも感じました。
「これは放っておけないな」と思いながらも、忙しさや「どうせ大したことないだろう」という思いから病院にすぐにはいきませんでした。

病院に行くきっかけの出来事

お腹の痛みが続いていたある日、妻に相談すると「それはちょっと普通じゃないよ。病院に行ったほうがいいよ。」と背中を押され、ようやく近所の消化器内科を受診しました。
しかし、当時の医師は「あなたの年齢(20代)で大腸がんなどは考えにくいから、内視鏡検査は必要ないと思うよ」と様子見で終わってしまいました。
正直、そのときは「えっ、それだけ?」と戸惑いや不安が残りました。

それから2週間後に再度受診したときに、便に白い膿みたいなものがびっしりとついていたので、それを伝えるとようやく「検査してみましょう」と言われました。
初診から検査にたどり着くまでに時間がかかったことで、かなり不安感がありました。

難病と診断された時の心境

検査結果を聞く前から、自分なりにネットで症状を調べていて「もしかして潰瘍性大腸炎かな」とは薄々思っていました。なので診断されたときは「やっぱりか」という受け止め方でした。ただ、やはり「難病」と言われると心にズシンときます。

「大腸がんじゃなくてよかった、原因がはっきりした。」という安心感と、「難病と一生付き合って行くのか…」という重さの両方を感じました。

治療や通院で大変だったこと&どう乗り越えたか

最も大変だったのは、再燃のつらさでした。
診断当初はリアルダを1日3錠飲むことで寛解を保てていたのですが、生活が落ち着いてくるにつれて以前のジャンキーな食生活に戻ってしまい、約1年後に再燃。血便や粘液、腹痛がひどくなりました。

そこからは、なるべくステロイドや免疫抑制剤に頼らず寛解を目指し、いろいろな情報を調べまくりました。青汁、ヨーグルト、乳酸菌飲料、ツムラの漢方、漢方内科のオリジナル漢方など思いつくものはすべて試しました。ただどれも悪くはないけど、決定打にはなりませんでした。

3ヶ月に1度ほど再燃するサイクルが1年ほど続き、「ずっとこのままなのか」と思うと本当に精神的にしんどかったです。
そんな中希望が見えたのが、ペンタサ坐剤との出会いでした。これを使い始めてから肛門付近の炎症が劇的に改善し、血便が止まりました。

また腸活の大切さに改めて気づき、肉の脂や揚げ物を避けたり、ミルミル・BF-1などのビフィズス菌飲料を日常的に取り入れたりして、食生活も見直しました。
その結果今では、ほとんどお腹が痛くなることもなくなり、食事制限もあまりなくなりました。

服用している薬や通院頻度

毎日服用しているリアルダとペンタサ坐剤

現在は以下のような薬を服用しています。

  • リアルダ(4錠/日)
  • ペンタサ坐剤(1錠/日)

通院頻度は、2ヶ月に1回程度です。
薬以外にも腸活として、ヤクルトのミルミルとBF-1を毎日1本ずつ飲んでいます。ミルミルは2年以上、BF-1は半年以上飲んでいますが、自分の中では調子が良くなる大事なルーティーンです。

生活で気を付けていること

一番気をつけているのは脂肪分の摂取量です。
揚げ物や肉の脂身、洋菓子などはできるだけ避け、どうしても食べてしまった日は、次の日には野菜をたっぷり摂ったりしてバランスを取るようにしています。

特定医療費(指定難病)受給者証の存在をどこで知ったか

最初は全く知りませんでした。診断を受けたときに、「中等症だから申請すれば通ると思うよ」と言われ申請することにしました。書類の準備や手続きは正直ややこしくて、最初はかなり戸惑いました。

難病で困ったこと(または困っていること)

困っていることは、自由に飲み食いができないということです。ボクにとって食べることは人生の幸せの半分を占めていますので、食べたいものを食べれないときは悲しいです。

またお金がかかることも結構きついです。特定医療費受給者証があるといえど、薬代にはお金がかかり月に10,000円はかかったりするのでかなり痛手です。無添加や健康にいい食べ物はやはり値段も高いことが多く、出費とのバランスに悩まされます。

お仕事について

現在もフルタイムで働いており、リモートではありません。
ただ難病になってからは自分の体調を最優先で考えるようになり、ほとんど残業をしないようにしています。会社や同僚には病気のこと(病名、症状、通院頻度)などは包み隠さず明るく伝えて、理解してもらってます。

趣味や好きなもの

趣味は旅行です。旅行に行くと仕事のストレスから一気に開放されます。難病でも旅行に行けるということを発信していきたいです。特定医療費受給者証の割引制度を活用して、なるべく安くお得に楽しめるように工夫しています。

難病とどのように向き合っているか

最初は「なんで自分が難病になるんだ」と絶望していました。
でも寛解して普通の生活を取り戻せた今では、「この難病があったからこそ健康の大切さに気づけた」「発信活動を通じて素敵な人たちに出会えた」と思えるようになっています。(※もちろんお腹が痛いときはこんなに前向きなことは言えませんけどね((笑)))

同じ難病と闘っている方へメッセージ

潰瘍性大腸炎という病気は、人によって症状も治療法も全然違います。だからこそ、正解を一つに決めつけず、自分に合った方法を諦めずに探し続けてほしいと思います。

最後に

皆さんがこのサイトを見に来られているということは、なにかの難病で苦しんでいたり、その家族の方であると思います。自分は幸い特定医療費受給者証をつかって難病に関わる医療費が2割負担になったり、上限額を設けていただいたりしています。その中でもあまり知られず使われていないのが特定医療費受給者証の「割引」という制度だと思います。この「割引」を使えば、お得にエンターテイメントを味わえたり施設を利用できたりします。

ボクも旅行に行ったときやお出かけをするときは、このサイトで県名検索をしてどこかお得に楽しめるところはないかなと探しています。本当に役立つ情報がたくさんあるので、これからも活用させていただきます。

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管理人

たかしさん、この度はアンケートにご協力いただきありがとうございました。
少しでも症状を抑えようと努力される姿に、私自身も力をいただきました💪

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